「更新できない」本質。リソース不足の小さな会社に必要な“プッシュ型”フォロー
大手ITベンダーの強力な営業網の裏で
北多摩エリアのとある製造業の会社様とも、東京都の専門家派遣を通じてお会いしました。ご相談のテーマは「デジタルマーケティングの強化」です。
こちらの会社様は、中小企業向けに手広くビジネスを展開している、独立系の大手ITベンダーと10年来の取引がありました。非常に強力な営業網を持つ会社で、社内のIT関連システムはホームページも含めてすべてその大手ベンダーに依頼していたそうです。
社長の最初のご相談は、「ホームページの更新を、自分たちでできるようになりたい」というシンプルなものでした。本来であれば、システムを構築したその大手ベンダーに相談すべき案件です。しかし、なぜ外部の専門家である私に相談が持ち込まれたのか。そこには、大企業ならではのフットワークの問題が隠されていました。
「契約するまでとその直後は一生懸命に動いてくれるけれど、時間が経つとあまり相手にしてもらえなくなって……。更新用のマニュアルを送ると言われたきり、いつまでも届かないんです」と、社長は困り果てていらっしゃいました。
構造化データの不一致を防ぐための「あえて対応しない」という決断
このお話の本質は、単に大手ベンダーのサポート対応の悪さだけではありません。ホームページが「独自開発された古いシステム」で構築されていたため、写真の設定やページ間の連携といった使い勝手が悪く、現代のSEO(検索上位に表示させる対策)に欠かせない「構造化データ」の対応が非常に難しい仕様になっていた点です。
支援の中では、まずターゲット顧客の再定義と獲得したい仕事の明確化から始め、古いシステムでも対応できる限りの対策を施しました。また、これまで手つかずだったMEO(Googleマップ対策)との連携や、ネット上での会社情報の統一(NAPの確認)をサポートしました。
しかし、構造化データの登録に関しては、最終的に「現状、ユーザーが自ら構造化データを修正できない以上、対応はしない」という結論を下しました。
構造化データは、ホームページに実際に記載されている内容と常に一致していなければなりません。システム上の制限により、ユーザーが画面の文字や写真を更新した際に構造化データが連動して変わらない(あるいは自分で修正できない)状態では、「記載内容と構造化データの不一致」が起き、検索エンジンからの評価をかえって落とすリスクがあるからです。システムに縛られることの厳しさを痛感した瞬間でした。
小さな会社の本質的な課題は「リソース不足」にある
今回の経験を通じて、私は中小企業のホームページ運用における本当の課題について、さらに思索を深めました。
システムがユーザーフレンドリーであるかどうかも大切ですが、それ以前に「そもそも中小企業にはリソース(人員や時間)がないため、自分たちから進んで更新作業を行うこと自体が非常に難しい」という根本的な問題があります。
日々の本業が忙しい中で、どれだけ使いやすいシステムを導入し、どれだけ丁寧なマニュアルを渡されたとしても、日々の更新作業はどうしても後回しになってしまうのが現実なのです。
「待ち」ではなく、こちらから仕掛ける“プッシュ型”のアフターフォロー
だからこそ、私たちは単にお客様の近くに寄り添うだけの伴走を目指しているわけではありません。「何かあったらマニュアルを見て更新してください」「困ったら連絡してください」というような、お客様からのアクションを待つ「プル型(待ち)」のサポートでは、リソースのない小さな会社のホームページは確実に形骸化してしまいます。
私たちが新しいパッケージサービス「ちゃんと見つかるHP」で実践しているのは、「待ち」ではない、こちらからの「プッシュ型のアフターフォロー」です。
リソースがなくて自発的な更新が難しい事業者様だからこそ、システムをただお渡しして終わりにするのではなく、こちらから定期的に「その後、状況はいかがですか?」「次はここを見直しましょう」と積極的に働きかけ、次のアクションを促す仕組みを大切にしています。
ホームページは作ってからが本当のスタートです。リソース不足という中小企業のリアルな現実に正面から向き合い、経営者様の手を止めさせないプッシュ型のフォローで、私たちはこれからも小さな会社の情報発信を泥臭く支え続けます。