ホームページの制作者が引退したら?管理権限と引き継ぎで確認すべきこと
長年ホームページを任せていた制作者が引退する。更新を頼める人がいなくなったとき、すぐに新しい制作会社を探したくなるかもしれません。
その前に確認したいのは、会社がホームページの管理権限と契約情報を把握しているかです。これらが分かれば、今のサイトを維持する、別の人に管理を頼む、作り直すといった選択肢を比較できます。
制作者の引退で、運用が止まった事例
以前お会いしたサービス業の会社では、長年、個人の制作者にWordPressの運用を依頼していました。社長と制作者の信頼関係は良好で、社長自身も記事やページの更新を続けていたそうです。
その制作者が引退に向けて事業を引き継ごうとしたものの、条件が折り合わず、次の支援者が決まりませんでした。結果として、ホームページのサポートが1年近く空いてしまいました。
このとき助けになったのは、元の制作者がWordPressの管理者権限、サーバー、ドメインの管理権限を事業者様へ渡していたことです。会社の手元に管理情報があったため、当面の問題に対応しながら、別のサービスや依頼先を検討できました。
信頼して任せられる相手だったことに加え、万が一に備えて管理権限を渡していたことが、次の選択肢を残したのです。
最初に確認したい4つの管理情報
同じように制作者や制作会社の交代が必要になったら、次の4点を確認します。
1.ホームページの管理画面
WordPressなどの管理画面に、会社が管理するアカウントで入れるでしょうか。記事を投稿できる権限と、サイト全体の設定や利用者を管理できる権限は異なります。WordPressでも、編集者と管理者ではできることが違います。WordPress公式の説明
まず、会社側にどの権限があるかを確認します。担当者個人のアカウント一つだけに頼らず、会社として管理者と引き継ぎ先を決めておくことも大切です。
2.ドメインの契約
会社のホームページアドレスに使っているドメインを、どこで契約し、誰が更新しているか確認します。登録先のサービス、契約者、更新時期、管理画面に入れる人を把握しておきましょう。
ドメインはホームページだけでなく、同じドメインのメールにも関係する場合があります。依頼先を変えるときに設定を急いで変更せず、現在の利用状況を確認してから進めます。
3.サーバーとサイトのデータ
ホームページを置いているサーバーの契約先と、サイトのデータを誰が管理しているか確認します。WordPressなら、記事や画像だけでなく、サイトを復元するためのデータとバックアップの方法も確認が必要です。
管理画面に入れることと、サイト全体を別の環境へ移せることは同じではありません。移転や作り直しを決める前に、何を引き継げるかを確かめます。
4.保守契約と引き継ぎ方法
現在の契約で、更新、障害対応、バックアップ、契約終了時のデータ引き渡しを誰が担うか確認します。契約書が見当たらなければ、請求書や過去のメールから契約先と担当窓口を整理するところから始められます。
次の依頼先には、「何を引き継げるか」だけでなく、「将来その依頼先との契約を終えるとき、どう引き継ぐか」も確認しておくと安心です。
管理権限が分からない場合は、現状の確認から
会社側で管理画面に入れなくても、すぐにホームページを作り直すと決める必要はありません。まず契約書、請求書、管理会社からの案内メールを集め、ドメイン・サーバー・サイトの窓口を整理します。そのうえで、現在の管理者に必要な権限やデータの引き継ぎを相談します。
どこに連絡すればよいか分からない場合も、ドメインの契約先と、ホームページの制作・保守契約先を分けて調べることが最初の一歩です。
依頼先が変わっても、会社が選べる状態にする
制作者の引退や担当変更は、どの依頼先にも起こり得ます。大切なのは、同じ相手に長く任せ続けられるかを予測することより、変化が起きたときに会社が動ける状態をつくることです。
今回の事例では、元の制作者が管理権限を事業者様へ渡していたため、支援が途切れた後も選択肢が残りました。ホームページを外部に任せるときは、ドメイン・サーバー・サイトの管理情報と、契約終了時の引き継ぎ方法を会社として把握しておきましょう。
ホームページは、制作会社の都合によって使えなくなるものではなく、事業者が継続して使える資産であるべきです。