70代制作者の引退と1年の空白。万が一でも「会社が困らない」HP管理のあり方
信頼していた制作者様の引退と、突然訪れた「運用の空白」
南多摩地域にあるサービス業の会社様との出会いは、ご紹介がきっかけでした。
こちらの会社様は、長年、遠方に住む個人のホームページ制作者の方に、WordPress(ワードプレス)でのサイト運営サポートを依頼されていました。掲載されている中身はともかく、お二人の間には非常に良好な信頼関係が築かれており、社長も定期的にブログ投稿や固定ページの更新を続けられていたそうです。
しかし、どんなビジネスであっても、「人はみな平等に歳をとる」という現実から逃れることはできません。
その制作者様が70歳を超えたとき、ご自身の息子様へ事業を引き継ごうというお話が持ち上がりました。ところが、世代交代の段階で条件が折り合わず、引き継ぎの話はそのままペンディング(保留)になってしまったのです。結果として、ホームページは誰にもサポートされないまま、1年近くも放置される状態が続いてしまいました。
前制作者様が残してくれた、最後の「誠実さ」
ご紹介を受けてお会いした当時、こちらの会社様のコンサルティングのメインテーマはホームページではありませんでした。しかし、このまま放置しておくわけにはいかないため、まずは私が窓口となり、ホームページの喫緊のトラブルや対応をスピード解決しました。現在は、この問題を根本から解決するために、手軽に扱えるSaaS(パッケージ型のWebサービス)の活用や、新しい業者の選定を一緒に進めているところです。
今回のケースで本当に不幸中の幸いだったのは、元の制作者様が引退される際、WordPressの管理者権限、サーバー、ドメイン(ネット上の住所)の管理権限を、すべて事業者様側にしっかりと渡してくれていたことです。
もし、前業者がこれらの権限をガッチリと握ったまま連絡が取れなくなっていたら、ホームページを丸ごと失う大惨事になっていたはずです。権限が事業者様の手元にあったからこそ、私たちは今、次のステップに向けて複数の選択肢を自由に検討することができています。
この経験から、私は「ホームページの管理権限は、何があっても絶対に事業者が持つべきだ」と強く再確認しました。
組織の継続性と、万が一に備える「オープンなあり方」
同時に、ホームページの管理を外部に依頼する際には、「その会社が長期にわたって支援し続けられる体制(企業の継続性)があるか」を見極めることが極めて重要だと痛感しました。
個人のフリーランスの方に頼む良さもありますが、病気や引退といった人生の転機にサポートが途切れてしまうリスクは避けられません。私たち自身も、組織として長くお客様を支え続けるために体制を強化しており、その一環としてこのIT関連事業を位置付けています。
しかし、どれだけ組織化を目指していても、世の中に「絶対」はありません。不慮の事故が起きる可能性もあれば、人と組織の形が変わることもあります。
だからこそ、私たちが新しいパッケージサービス「ちゃんと見つかるHP」で何よりも大切にしているのは、「万が一、私たちの組織に何があっても、お客様が困らない仕組みにしておく」という、後のことを考えたオープンなあり方です。
ドメインやサーバーはお客様ご自身の名義で取得し、契約の縛りもなく、いつでもデータを持ち出せるようにする。それは、私たちのエゴでお客様を囲い込まないという誓いでもあります。提供側の都合でお客様のビジネスを立ち往生させないために、私たちはこれからも価格も仕組みもどこまでもオープンに、誠実な伴走を続けていきます。